戦後和解 - 日本は〈過去〉から解き放たれるのか (中公新書 (1804))

著者 :
  • 中央公論新社 (2005年7月26日発売)
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感想 : 16

戦後和解は感情的な問題である。著者も繰り返しているが、法的な解決は済んでいる、にもかかわらず当事者同士にわだかまりは残ったまま。
具体的にまとめれないが、戦争後の和解として、悪の象徴としての加害者と、それに騙された被害者の線引を行い、それぞれに対処することを当事者双方が受け入れる、それが近現代の戦後和解における、成功例とする。日本はうまく成功することが出来なかった。

多くの日本人の心情として、戦犯と被害者を別物として扱うことに抵抗があることは理解出来るが、それは日本人の立場。戦後和解においては、相手の国の立場がある。(バランスを取る為に言うと、中国が政治カードとして戦後和解を使っていることも指摘している。)

著者が言うのは「戦後和解のエッセンスは、未来の平和と有効を担保にした高邁な妥協」ということ。「正義を追い求めるだけでは和解は成立しない」。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年6月10日
読了日 : 2012年9月5日
本棚登録日 : 2014年6月10日

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