向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年7月29日発売)
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夏に読もうと決めていた一冊。
タイトルの通り、この物語において向日葵は重要なポイント。
もし向日葵が咲いていたら物語が始まらずに済んだのにね。
少し狂った大人たちの中で不穏な空気を漂わせながら物語は進んでいく。
周りの大人たちの異常さに目がいってしまって、少年自身の心の状態に気づいた時にはもう時すでに遅し。
たくさん伏線はあった。どんでん返しもあった。読んでいるときの違和感も、著者の鮮やかなテクニックで納得させられる。
始終こころをゾワゾワさせながら読み進めた。
そして涙する。この世界の残酷さに。
誰だって過ちや失敗はある。そして、確かに自分がやったことをそのまま受け入れて生きていける人なんていないよ。辛すぎる。…だけどね…
悲しい。やるせない。どうしてそこまで追い詰められるまで周りの大人たちは…。残虐的な行為は連鎖していく。
孤独を抱えきれなくなり追い詰められた少年の心を思うと、胸が引き裂かれる思いだった。
ミステリーとしてはよくできているのだろう。だけど、私はただただ悲しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月16日
読了日 : 2023年7月9日
本棚登録日 : 2023年7月9日

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