この本に限らないが、ロジャース派の論文は、「教祖ロジャースはこう言った。それはこういう考えからである」的な記述が多い。
私は日々の臨床に活かせる知見が欲しいのであって、ロジャースがどう言ったかには興味がない。ロジャースの言っていることが真実とは限らないからである。
セラピストの必須三条件について論じているところなどは、「言葉あそび」でしかなく、「で、つまるところ、それをどのように臨床に活かすの?」というイメージが全く湧いてこない記述が多い。
臨床心理学、心理臨床学は、訓詁学ではない。本当に臨床をやっているのか?という書き手が散見されるのは非常に残念である。
他学派の成田善弘先生の寄稿が一番おもしろく、誠実(Genuineness)に書かれていると感じられたのは皮肉な話である。
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- 感想投稿日 : 2024年1月21日
- 読了日 : 2023年10月9日
- 本棚登録日 : 2024年1月21日
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