四国遍路をしていたときに「黒住教」なるものの存在を知った。それ以来、何となく気にはなっていたが、ふとしたことから本書を見つけ、読んでみた。
黒住宗忠は幕末の神道家だが、本書では彼の伝記のみならず、生命哲学についても解説されている。スピリチュアルの本質について、日本語の「しっくりくる」言葉をピタッピタッと当てはめて、解き明かしていく。いま読んでも、彼の生命哲学は全く古さを感じさせない(むしろ新しい)。これがまず驚きであった。日本語で読めるスピリチュアルの読み物として一級品である。
著者は宗忠の生命哲学について、仏教の教えとは正反対などと論じているが、仏教についての著者の理解は甚だ浅薄と思う。著者の解説は万事がその調子であるが、幸い宗忠が遺した歌などから、直に彼の人間像を垣間見ることが出来る。そこから判断するに、彼を「神人」とみなすことに異論はない(スケールがハンパではない)。かつてこのような偉大な日本人が存在したことを、国民全体に広く知って欲しいと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月4日
- 読了日 : 2012年4月22日
- 本棚登録日 : 2024年1月4日
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