科学という考え方 - アインシュタインの宇宙 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2016年5月18日発売)
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本棚登録 : 151
感想 : 12
5

ざっくり言えば本書は、力学史。だからいちいちの記述に新たな発掘的な内容はない。
ただし、著者の専門が脳科学と言語学だからか、深い認識論が最終講で語られ、旧来の力学史とは一線を画している。
つまり、科学という考え方の追求が、カント的な意味で、認識の限界を探ることに通じることを、力学を通して示唆していることが興味深い。

また、本書の特徴として、
・科学者の原典が多く引用されていて、骨太で読み応えがある。
・適宜、差し挟まれる問題が、単なる読書から思考モードに切り替えるきっかけとなっており、そこが教育的。
の2点が挙げられる。

数式を使ってもらった方が分かりやすい部分(ウエブナー=フェヒナーの法則など)もあったが、概して良書だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<物理学>
感想投稿日 : 2016年7月21日
読了日 : 2016年7月21日
本棚登録日 : 2016年7月21日

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