不幸の詰まった映画だった。一つ一つの答えに、不幸が。
いや、不幸という言葉で果たして適当か・・・。
不幸では足りない、悲しみでも足りない、PTSDという言葉では冷たい感じがする・・・。一番近いのは絶望か・・・。いずれにしろ、一言では片付けられない、重みを持っていた。
クイズ・ミリオネアと言えば、聞こえはいい。クイズを軸にしたおかげで映画のテンポもいい。しかし、これはエンターテイメントをうまい隠れ蓑にした、社会告発のルポルタージュではないか?貧困がもつ絶望的状態を余すところ無く描いている。
ハッピィエンドなのだが、実は、ハッピィじゃないことが言いたい巧妙な作り手と見た。
最後に、ジャマールがラティカの顔の傷にキスをするシーンがある。これだけで十分に感動的なのだが、さらに奥深いところでは、インドのような格差社会で、不幸を受け入れて生きていく、しなるような強さを象徴していると思えた。
率直な感想としては★4つなのだが、最後のダンス・シーンが良かったので、+★1つして、満点。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2012年3月6日
- 読了日 : 2009年6月19日
- 本棚登録日 : 2012年3月6日
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