西南戦争: 西郷隆盛と日本最後の内戦 (中公新書 1927)

著者 :
  • 中央公論新社 (2007年12月1日発売)
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西南戦争の経過をドキュメントで、さっとあらましを知りたい人には便利。局面における陣地図や行軍路を、地点の重要性の説明と合わせて地図を付記しているので分かりやすい。本書で繰り返され指摘される通り、挙兵に名分が伴わなかった事が早々に失敗した主要因となったが、その方が近代日本にとっては良く、上り調子の国家の運というものを感じもした。熊本を撤退してから鹿児島に戻るまでの西郷の行程は、制御を失った飛行機のような様相を呈していて、周囲に身を預けるように乱を起こした(但し責任だけは背負った)彼の晩年そのままのように見えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2018年9月3日
読了日 : 2018年9月3日
本棚登録日 : 2018年9月3日

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