冬天の昴 (光文社文庫 あ 46-8 光文社時代小説文庫)

  • 光文社 (2016年11月9日発売)
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本棚登録 : 468
感想 : 27
5

久しぶりに読んだ弥勒シリーズ。前作を読んでから少々間があきました。その分、新鮮さが増したように感じたのですが、いやいや、間があいたからではなく、5作目は新鮮なものだったように思います。
これまでよりも、グンと本格ミステリーになったような感じ。謎解きがとても楽しかった。木暮の語り口で謎が解かれていくことの快感を覚えるのです。
そして、遠野屋がもつ切なさが幾分少なくなり、なんというのでしょう、凄技を持ちながら、なんだか人間臭さが出てきたような。それは今作、木暮の動きがより注目されるようになったために、遠野屋の温かみが目だったのかもしれません。同様に伊佐治の人らしさも多く描かれているような感じがしました。木暮がホームズなら、遠野屋はワトソンか、となるのかもしれませんが、私は遠野屋はイリヤ・クリヤキンのように思えました。木暮はナポレオンソロには似ていませんが。
どうにも目が離せないシリーズです。
面白いです。
時々、この二人のセリフをつぶやいてみたくなります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2019年7月9日
読了日 : 2019年7月9日
本棚登録日 : 2019年7月9日

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