最愛の子ども

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年4月26日発売)
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本棚登録 : 470
感想 : 58
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男女別学(今どき少ないよなあ)の中高一貫の女子クラス。高2のあるクラスでの疑似ファミリーとそれを見守るクラスメイト達。父親・母親と子供である王子様。それぞれがそう思われていることをわかっており、そういう環境を受け入れている。見守るクラスメイトも、3人を理解し妄想し心配している。

思春期の女子高生たちのセクシャリティー感。取り巻く親世代や教師たちの感覚。疑似ファミリーとリアルファミリーの比較と葛藤。なかなか面白かった。
安価なYA小説にありがちな理解のない大人が少なく、大人もそれぞれ描かれていていいと思った。生徒を広い気持ちで見守る感じの教師や、行き詰まってしまった主人公たちに解決方法をさりげなく提示するグループの保護者。
女子高生も、男子も、親も、教師も、それぞれの迷いや生き方をしていることがわかる書き方と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(日本)
感想投稿日 : 2017年9月16日
読了日 : 2017年9月16日
本棚登録日 : 2017年8月30日

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