元グリーンベレーの傭兵 イエーガーは、不治の難病を抱える息子の命を救うために大金が必要だった。そこへ、多額の報酬と最高ランク機密の作戦任務の依頼がくる。イエーガーは『暗殺任務』ではないかと考えたが余命一ヶ月となった息子の命を救うため承諾する。イエーガーは選りすぐりの精鋭である3人の仲間と共に訓練を受け、第一次アフリカ大戦真っ只中のコンゴ民主共和国に潜入。そこで行われる「ガーディアン作戦」とは、危険な感染症が蔓延したピグミー族の住人たちを『一斉駆除』すること。そしてもう一つ、【これまで見たこともない生物】を見つけた場合、直ちに殺せという謎の任務だった。
専門分野を薬学とする大学院生の古賀研人は、父親の葬儀を終え、自宅のパソコンに届いた一通のメールを見て驚く。それは急死した父親からのメールで、父親が死亡してから5日後に送信されたものだった。そこには「不治の病を治療する新薬開発を、極秘に一人で完成させろ」「しかし、身の危険を感じた場合はすぐに放棄しろ」と書かれていた。父親の残したメモから、実験用のアパートと 創薬ソフトの入ったパソコンを手にした研人。そして、研人の携帯電話にかかってきた『今すぐあなたの部屋から逃げろ』という音声変換されたメッセージ。このソフトを手にしたことで、何者かに自分の命が狙われていると気づいた研人。しかし、病に冒された少女との出会いと 韓国人留学生の正勲の協力のもと、少女の命の尽きる前に新薬開発を成功させようとする。
『人類滅亡の可能性
アフリカに新種の生物出現』
何の接点もないイエーガーと研人。アフリカと東京のアパートの一室で同時進行する二つの物語。それを繋ぐ鍵は、現生人類の存続を脅かす『驚異的な知能を持つ生物』。
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疲れる読書だった。
何日かけて読んだのか。薬学の知識など難しい箇所では何度も寝落ち。
戦争の残虐なシーンでは心が折れるどころか粉砕し一旦やめる。
けれど、最後の研人とイエーガー、そして人類の命が危うくなるシーンがグルグル変わりながらやってくる展開に、そこからは心臓バクバクさせながら一気に読みきった!!「逃げきれー!」「新薬届けー!」と心の中は大騒ぎだった笑
研人と正勲の勇敢な青年の物語がなければ最後まで読み進めることは出来なかったかもしれない。
「戦争がこんなに怖いものだとは知らなかったんだよ」というピアーズ。本当にそう。人間が人間に対してこんなにも酷いことができるのかと。特に子供兵のページは心臓握りつぶされたように痛かった。また戦争からの帰還兵がPTSDを患うのも当たり前かとも思った。銃を持った子どもたちを敵にして殺し合う。まともな精神でいられるはずがない。
核のボタンを持つ大統領の愚かな決断を聞いた時は、ルーベンスの「この思い上がった下等動物を殺せ!」という心の声に「そうだ!そうだ!」と賛同しそうになった。
ジェノサイドを繰り返すのが人間だというハイマンズに、ルーベンスが「互いを思いやる心を持ったヒトの方が僅かに上回っているから、現生人類は滅びていないのでは」と反論するところも良かったな。
研人が アキリに言った言葉。「もう安心だよ。ここには戦争はないからね。この国の人たちは、もう戦争しないと決めたんだ。」
子どもたちの未来の為に、自分たちの命を顧みず闘った研人と正勲の言葉をアキリはどう受けとめたのか。
いまだに戦争をやめない私達を見て、アキリは人類に失望し見切りをつけないで欲しいと願うばかりです。
そして今度こそは間違えずに「グレイヴディッガー」を借りてこれますように(*ノ>ᴗ<)テヘ 笑
- 感想投稿日 : 2024年1月18日
- 読了日 : 2024年1月18日
- 本棚登録日 : 2024年1月5日
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