勝手にふるえてろ (文春文庫 わ 17-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年8月3日発売)
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感想 : 736
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理想の彼に憧れて、現実の彼には興味なし。
あるある!と思ってしまった。イチに惹かれるのは分かるけど、こういうフワフワした人を追いかけても絶対報われないのに。だからと言ってタイプでもないし欠点ばかり自動的に探してしまうニのことを好きになれるかと言うと・・・。

そこまではなんか分かるんだけど、ヨシカの大胆な行動には驚く。平気で人の名を騙って同窓会を開いてイチに近付いたり、平気で妊娠したとウソをつく。ヨシカの虚言癖が怖かった。
でも結局、自分の名前さえも覚えていなかったイチへの熱が冷めて、それでタイトルが「勝手にふるえてろ」なんだと分かった。

絶滅動物の話はロマンを感じて興味深かった。調べたら面白そう。人間(ホモサピエンス)は運良く絶滅しなかったからここまで進化してきたのだろうけど、絶滅するしないって紙一重。人間のせいで絶滅した動物の事を思うと、人間って弱いくせに罪深い生き物だなと思う。

イチへの想いがなくなって、ニにも愛想を尽かされてからヨシカは自分を見つめ直した。
心を開いて本心をぶつけて、自分の思いを伝えることって大事なんだ。素直ってこういうことなのかも。

その後の短編「仲良くしようか」は、よくわからなかったけど川上未映子のエッセーを色々くっつけたみたいな、見た夢をそのまま記録したような、混沌とした印象。こちらの解説もほしい。
3.5点ぐらい。

20170604

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 作家わ行
感想投稿日 : 2017年6月4日
読了日 : 2017年6月4日
本棚登録日 : 2017年6月4日

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コメント 1件

koshoujiさんのコメント
2018/03/21

初めまして。フォローいただきありがとうございます。リフォローさせていただきました。最近あまり書いてないのですが、今後ともよろしくお願い致します。<(_ _)>

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