アンマーとぼくら

著者 :
  • 講談社 (2016年7月20日発売)
3.71
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本棚登録 : 3755
感想 : 519
5

予約してから結構時間が経って手元に来た。
有川氏の本は必ず読んでるな。

ほんで、また、泣いたわ・・・。

アカン後半ボロボロ泣いた。三日目ね・・・。
「旅猫リポート」も後半大概泣いたけどさ・・・。「旅猫」で泣いた人はこの本でも泣くやろうね・・・。

(たぶん)

正直、途中までは
「沖縄ガイド誌か!」
ちゅうくらい、沖縄のことを事細かに書いてあって、結構ダラダラと読んだ。

ちゅうか、沖縄へ行ったことがない私としては
「ふーん・・・」
を、通り越して、ちょっとこの本は好み外やったかなとまで思い始めてきた矢先の、過去との交錯・・・。

「ん!?」
と、一瞬で前かがみに。

これは、あれか。去年散々読んだタイムトリップものか。
住野よる氏の「同じ夢を見ていた」に近しいものがあるのか。

と、思い始めてからは、カラクリが気になってきて、ますます
「沖縄ガイドはちょっともうエエから!」
と、なった(笑)。

いやいや、沖縄には行ってみたいけれども!


ほんでここからズバンとネタバレやけれども、





リョウちゃんが亡くなったのかと思ったよね!?

まさか、おかあさんやったとはなあ。

けれどおかあさんの死は病気や事故ではなく、老衰に近いのかな。
そこがまだ救いがあった。
だけど救いがあっただけに、ズシンときたんだよね。

リョウにとってはもう取り返しがつかないことであることには、変わりないんやし。


著者はほんまに、家族を大切に書かはると思う。
どうしてここまで、「いい人」ばかりが登場するのか、って思うけど、それがいい。
それが、いいわ。

「いい人」であって、決して「間違えない人」ではない。
間違えたこともひっくるめて、包めるような存在ばっかり書かはるねん。


ああ、こういうことが起こったときにそう言うんや。そういう対応しはるんやって、目から鱗。
私もこんなふうになってみたいなあ、って思う・・・。

こんなふうに誰かを包むことができたら、私もこんな広さで誰かに包まれているのだと思う。
おかあさんがまさにそう。
カツさんやリョウちゃんを包んでいるようで、おかあさん自身も二人に包まれていたんやもんね・・・。

与えることによって得られる愛情というのかな。
なかなか、そんな余裕はないし、つい
「自分が、自分が」
と、自分ばっかりになってしまうけれど、またそれをよしとせんとこうと思うあまりに過剰に相手に合わせようとして失敗してしまったりするんやけど、著者が書く世界観のように、間違ってもいいから自分の形で誰かを包んで、愛していけたらなあ。

人を好きになるという気持ちを、こんなふうに伝えることができたら、自分も、周りも幸せになるんじゃないかなって思います。


くどすぎるけれど、「大人の公式喧嘩」真っ最中の現在、「子ども対子どもの喧嘩は揚げ足を取ったもの勝ち」ちゅうのに、
「なるほど!」
と、思った。

「大人の公式喧嘩」ちゅうか、ほんまに「子ども対子どもの喧嘩」を、この年齢になってやって、しんどい目を見てるわけやから、そうか~、理屈をいうた方が負けやったのか、揚げ足か・・・確かにな・・・、と、思った(笑)。


前の夫を否定しないことで、(その夫と結婚した)晴子を否定しなかった、と、いうのも、ああそうなのか、と、思った。

否定されることに異常なほどナーバスなときってある。
あるねん、これが。

私自身、似たような話をしたときに、私を否定するでもなく、もちろん当時の夫を否定するでもなく、淡々と会話をしてくれた人がいた。
その人に救われたなあって、今でも思ってる。

ほんで、やっぱり私もその人みたいに、おっきく包めるような人になりたいなって思ってる。

その相手は、現在の職場の上司なのです。理想が目の前にいるって、いいね。


■■■■


■粉飾

[名](スル)
1 飾りつくろうこと。うわべをとりつくろって立派に見せかけること。「事実を―して話す」
2 紅や白粉 (おしろい) で化粧すること。美しく装い飾ること。


■半可通

[名・形動]いいかげんな知識しかないのに通人ぶること。また、その人や、そのさま。「―な(の)知識をふりまわす」


■気根

植物の地表に出ている茎あるいは幹から出て、空気中に現れている根。タコノキ・トウモロコシなどにみられる。


■位相

1 解析学で、極限や連続の概念を定義できるように、抽象空間(集合)に与えられる適当な構造(部分集合)。トポロジー。
2 物理学で、振動や波動などの周期運動の過程でどの点にあるかを示す変数。正弦関数で表すときの角度に相当する部分の量。
3 地域・性別・年齢・職業・階層や、書く場合と話す場合などによって、言葉の違いが起こる現象。


■ホスピタリティ

1 心のこもったもてなし。手厚いもてなし。歓待。また、歓待の精神。


■詰る なじる

[動ラ五(四)]相手を問いつめて責める。詰問する。「心変わりを―・る」


(2017.01.19)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年4月19日
読了日 : 2017年1月19日
本棚登録日 : 2017年4月19日

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