アレクサンドル・デュマの父の話。
この物語で良くも悪くも家族、とくに息子にとっては父の(娘にとっては母の)影響は計り知れないとわかる。
そして、過去の境遇なども、その後の人生に大きく影響を与える。
その影響からくる決断は、その人の人生にとってもちろん過大な影響を与える。
小さな決断、大きな決断。
そんな当たり前といっては当たり前のことがよくわかる。
この物語の主人公は、カリブで生まれた黒人と白人の混血であり、また時代が時代であるから、相当に複雑な境遇であったゆえに、彼の思考は常に川に浮かぶ小船のごとくユラユラしていて、まさに波乱万丈を呼び寄せる。
傲慢で傍若無人かと思えば、非常に繊細で、クヨクヨしたり、面倒くさい男なのですが、彼の奥様がそうであったように、魅力的である面も少なくなくダメだな~と思いつつ、ついつい応援して読み終えてしまった。
近くにいたら、彼の副官のごとく胃が痛くなる思いをすることになるだろうけど。
アンシャンレジームやナポレオンが活躍した時代に彼がいたことを知れてよかったです。
発売当時に新聞の書評で見て暖めていたシリーズ。ようやく読みました。
現在Eテレ「100分で名著」でも取り上げられ
3月からは宝塚で「モンテクリスト伯」が上演されるし、良いタイミングといえばそうかも?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・日本
- 感想投稿日 : 2013年2月25日
- 読了日 : 2013年2月25日
- 本棚登録日 : 2010年9月15日
みんなの感想をみる