憲法対論: 転換期を生きぬく力 (平凡社新書 164)

  • 平凡社 (2002年12月1日発売)
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感想 : 11
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宮台の言うことはいちいち心に突き刺さる。まさに自分が漠然と思っていたことをずばりそれっぽく語ってくれるのだ。今回もご多分に漏れず、特にぐさっと身に染みた。その部分というのは、1章のところ。要するに終わりなき日常を生きろ、という彼の論の言いかえなのだが、特にボランティアへの動機を、強者である自分の罪悪感から導いたところに非常に共感してしまった。そうするとまた迷いの森に迷い込んでしまうのだけれど。
そこで僕はいつも思うのだけれど、終わりなき日常を生きることなんて出来る?僕には無理だ。まったり革命を起こす気にはなれない。もっとも起こす気もなく起こるものなのだろうけど。要するにまだ物語はあるんじゃないかってことだ。ある友人は環境問題こそ賭けるに値する物語だと言っていたけど、他にも例えば貧困。戦争。そういったことは物語になりうるんじゃないかな。たとえばマイクロファイナンスが起こしたようなレボリューション、ワールドビジョンが実践している新たな援助の形。そういう物語に自分も参加してみたいと思う気持ちはあるのは事実だ。ただ、それが本当にそれが正しいと信じているからなのか、それともただ人生が生きるに値するものだと思いたいという盲目的なものなのかははっきり言って定かではなくて、そのためにちょっぴり、いやだいぶ腰が引けてしまっているのも確かなんだと思う。人生ってやつは。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 世界
感想投稿日 : 2008年6月10日
本棚登録日 : 2008年6月10日

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