昨年に亡くなったおしゃべりなイメージのある数学者、森毅の対談を起こしたもの。大学法人化の前のものだけに、これからの大学はどうなるか、といったことを脱線しまくりながら森流で言いたい放題している。
この人の著作はわかりやすいのかわかりにくいのかよくわからない。わかりやすいと誉れが高いので読んでみると難しい、というトラップを何回かくらっている。しかし、この本は数学の本ではなく、いわゆる大学論?といったものを語っており、その内容はわかりやすく独特な観点から眺めていることを感じさせられる。
個人的には「大学街」という風に大学単体ではなく、地域との関連も考えていくというアイディアの重要性の再発見が一番印象に残ったが、他にもおもしろく、参考になる点は多い。しかし、口語体のよさが出ている反面、読み難くなっている部分もあるのは若干残念であった。
ところで、この本の中で一番しびれたのが次の部分。ぜひこうありたいものだと思う。数学者の溝畑茂が言った溝畑語録:「この分野ははってんしそうですか」と言ったら「発展するかどうかはわからん。ともかくやるからには、おれが発展させると思うだけや」
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション系(理系以外)
- 感想投稿日 : 2011年3月18日
- 読了日 : 2011年3月18日
- 本棚登録日 : 2011年3月18日
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