解説に「味読」とあるが、藤沢周平の小説はその言葉といい文章といい、味わって読むという表現がとてもふさわしい。
本書は、市井もの7篇武家もの2篇をおさめた短編集だが、読後こころにポッと灯りがともるような作品ばかり。
『帰ってきた女』『おつぎ』は、こうなってほしいという読者の藻いを裏切らない結末にホッと。
『女下駄』は、女房に男がいるのではと疑った夫(その心の揺れ動く描写に親近感さえ)が、その疑惑が解消された様にも、ホッと。
武家もののひとつ『切腹』は、葉室麟の小説を連想。
どれも、再読再再読したくなる作品ばかり。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2021年1月7日
- 読了日 : 2021年1月1日
- 本棚登録日 : 2021年1月7日
みんなの感想をみる