龍を見た男 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1987年9月30日発売)
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本棚登録 : 364
感想 : 26
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解説に「味読」とあるが、藤沢周平の小説はその言葉といい文章といい、味わって読むという表現がとてもふさわしい。
本書は、市井もの7篇武家もの2篇をおさめた短編集だが、読後こころにポッと灯りがともるような作品ばかり。
『帰ってきた女』『おつぎ』は、こうなってほしいという読者の藻いを裏切らない結末にホッと。
『女下駄』は、女房に男がいるのではと疑った夫(その心の揺れ動く描写に親近感さえ)が、その疑惑が解消された様にも、ホッと。
武家もののひとつ『切腹』は、葉室麟の小説を連想。
どれも、再読再再読したくなる作品ばかり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2021年1月7日
読了日 : 2021年1月1日
本棚登録日 : 2021年1月7日

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