警視庁神南署 (ハルキ文庫 こ 3-20)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2007年2月1日発売)
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本棚登録 : 727
感想 : 73
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この作品、初出時は1997年、そしてバブル崩壊の世相が背景となっている。
今でこそ、警察小説は百家争鳴の様相を呈しているが、その先端となる作品だろう。警察組織自体、あるいは登場する刑事の性格やプライベート面等を、リアルに描き出すという点で。
刑事の犯罪捜査を主眼にし、犯人を追い求める推理小説は、それまでもあったが。
このシリーズは、安積班のメンバーそれぞれの性格人柄によって、それが事件解決をもたらすという点で、より親密感を持って、読み進めることができる。
また、容疑者が自供を始める時は決まった反応があると著述し、それを具体的に綴ってある場面など、作者の想像力だけではない、詳細な取材力を感じる。
著者の作家活動初期のシリーズ(バブル崩壊に翻弄され、主人公たちの所属部署が二転三転する)であるが、あまり古さを感じさせず、次の舞台となる臨海署編も読んでみたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察小説
感想投稿日 : 2017年7月18日
読了日 : 2017年7月16日
本棚登録日 : 2017年7月18日

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