図書室で暮らしたい

著者 :
  • 講談社 (2015年11月11日発売)
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本棚登録 : 2307
感想 : 256
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辻村深月さんの作品はそう多くは読んでいません。10代向けの作品が多い印象で、とうにその時代を越えた今となってはくすぐったい気持ちになり手を伸ばす機会がありませんでした。しかしここにきてこのタイトル名、首がもげるほど頷いてしまいほぼ反射的に購入。

学生時代の閉塞感や、当時そばにあった“本”への想いや夢中になった作家・作品への敬意、そして作家であり親となった今の日常のエピソードなど。辻村さんご自身の好きな本や映画、自書解説はファンなら興味津々な世界でしょう。しかしもともとのファンでなくともブクログを利用するような本が好きな人は、著者のような生粋の本好きの本を語る熱量に親近感を感じること間違いなしです。私自身の短所として好きなモノや人へ直接想いを伝えるのが苦手という点があるのですが、著者は当時から好きな作家さんへ分厚いファンレターを送るなど自分の言葉でしっかりと伝えていた辺り、こうゆう書く行為の積み重ねが現在の物書きたる由縁なのかと妙に感心してしまいました。

ちょうど同じ月齢ほどの子を抱える働く親という視点では、保育園と交換日記のように往復する日々のやりとりを綴った「週刊エッセイ」などは共感の嵐でした。今まさに仕事帰りの電車でこの本を読み終え、子を迎えに行くところ。モードを切り替えるのが少し億劫なときもあるけれど「同じ働く母親として頑張りましょう」と背中を押された気分。さあ、仕事終わりからのもうひと頑張り。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学(エッセイ)
感想投稿日 : 2020年11月14日
読了日 : 2020年11月14日
本棚登録日 : 2020年11月14日

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