狐罠 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2000年5月12日発売)
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本棚登録 : 819
感想 : 103
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冬狐堂シリーズ・第1巻。店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」である主人公・宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂(きくんどう)から仕入れた“唐様切子紺碧碗”は贋作であり苦い思いをする。陶子は橘薫堂に対し、プロをも騙す「目利き殺し」を仕掛け返す決意をするべく秘密裏でその準備に取り掛かるが-。

古美術商における舞台裏や暗黙ルールなど骨董独特の世界に好奇心からかぐいぐいと引き込まれ、人間の所有欲・駆け引きといった人間の闇も垣間見え、さらに橘薫堂の関係者の死や30年前の贋作事件も絡み合う。罠は掛けているのか、それとも掛けられているのか。陶子をはじめ個々のキャラクターもどことなく影があり、彼らが取り巻く古美術という世界をより妖艶に、より不気味に映し出しています。
いやぁ、はまった。先を急ぐように夢中になったのは久しぶり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2013年11月12日
読了日 : 2013年11月12日
本棚登録日 : 2013年3月28日

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