三銃士 下 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2009年10月23日発売)
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感想 : 26

ミラディー妖女の男を落とす技術にはいっそ感心してしまう。こういう頭の良い悪女、もはや尊敬の域。
でもなんつーか‥‥リシュリユー枢機卿があまり表だっては三銃士+ダルタニャンの四人と対立せず、憎めざる人物と描かれ、あそこまで生かしておいたボナシュー夫人は殺され、四人とウィンター伯爵と執行人は私刑の形でミラディーを処し(時代や世界観としては問題ではないのだろうが、ダルタニャンが苦悩した通り女一人相手に冷酷すぎる描写と思えた)、銃士隊副官の令状をもらったダルタニャンだが、三銃士は三銃士でなくなるラスト、ちょっと寂しい読後感だった。
ダルタニャンは粗忽だけど、愛嬌があって機知に富んで本当に可愛かった。アトスが彼を愛するのもむべなるかな。ポルトスもアラミスもいいキャラで、無口なグリモーはじめ従卒たちもそれぞれよかった。ウィンター伯爵がミラディーに言われているほどお人好しではなく英国人らしい皮肉屋で、別に抜けている訳ではなく部下を信頼しているのがなかなか好感でした。
とても読んでる間本当に楽しかった。講談社のシリーズ全訳版も、いつか読みたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2016年3月19日
読了日 : 2016年3月19日
本棚登録日 : 2016年3月18日

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