君たちはどう生きるか (岩波文庫 青 158-1)

著者 :
  • 岩波書店 (1982年11月16日発売)
4.18
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本棚登録 : 11734
感想 : 1174
4

プレゼントされなければ、おそらく手に取ることは無かっただろう一冊。
読めてよかった。この本を贈ってくれた相方に、感謝。

戦前(1937年初版)の少年少女向け文学。
少年コペルの日常と、その叔父が彼へ語りかけるノートとが交互に描かれる物語には大きな起伏はなく、どちらかと言えば平板なお話なのだが…。

70年以上前という時代背景と関係なく、読中ずうっと、我々人間はどう在るべきかを押し付けがましくなく示唆され続けた。

決してエンタメではない。
少年少女にはきっと、難解に過ぎる向きも強い。
けれども確かに、未来の日本を背負っていく達少年少女にこそ読んでもらいたい一冊。

「王位を奪われた国王以外、誰が、国王でないことを不幸に感じる者があろう」

痛みを感じる者以外、誰が、痛みのない状態を幸福に感じる者があろう

「人間同士調和して生きてゆくべきものでないあらば、どうして人間は自分たちの不調和を苦しいものと感じることができよう」

と進んでいく、“叔父さん(著者)”の主張に心を強く打たれた。

★4つ、8ポイント。
2018.01.16.新.贈。

※当時(1937年)は、「いじめ」という単語はなかったのね…。

※旧制の中学一年生(現代の中2?、中3?)の、思慮の深さ(笑)。

※「叔父さん」の、超人的な博識ぶり(笑)。

【追記】
先日公開されたジブリ映画のタイトルも同名。
これが原作?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他の文学
感想投稿日 : 2018年1月17日
読了日 : 2018年1月17日
本棚登録日 : 2018年1月10日

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