イスラームの世界地図 (文春新書 224)

制作 : 21世紀研究会 
  • 文藝春秋 (2002年1月21日発売)
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感想 : 18
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今イスラム圏に住んでいるので、少しでもイスラム教の知識をつけようと手に取ってみた。
中盤は少し難しくてだいぶ飛ばしてしまったけど、最初と最後は文化的なトピックだったので興味深く読めた。

女性がヒジャブを被る理由は、顔と手先以外はすべて陰部と捉えるからなのだなぁ。また国によって宗教そのものの解釈の仕方が違うこと、よって私たちの目に見える慣習も異なるのだと知る。

本当に、まだ勉強のかじりのかじりのため、少しずつ少しずつ勉強していきたいと思う。

「サウジアラビアやカタールでは、ポケモンのキャラクター、カードに対して、輸入禁止のファトワーが出されている。これはカードで勝負をし、増やしていくという行為にギャンブル性が認められたためであり、もうひとつの理由は、イスラームでは進化論を認めていないので、キャラクターが進化していくようなことは許されない、ということだった。」

「イスラーム以前、メッカでは貧富の差が拡大し、一部の高利貸は肥え太るばかりだった。そのためムハンマドは神は利子を禁ずる、と教えを説いたわけだが、それは一大経済革命といえるものだった。すべての財産はアッラーのものである。その財産を元手に、利子をつけて、儲けるなどということは許されない。神の前ではすべての人が平等なのだから、神から与えられた富も平等に分配されるべきだ、ということである。ここから、『喜捨』の考えもはじまったと癒えよう。」

「預かったお金を銀行が企業に無利子で貸し出し、利益が出ればその配分を受けとる。投資先は銀行が選ぶこともあれば、投資家が選ぶこともある。私たちから見ると、働かずに元金を増やすことに変わりないではないか、とつい思ってしまうが、企業収益が悪化したり、倒産すれば、元金すら戻ってこないというリスクがあるので、この方法に問題はない、というのが彼らの考え方である。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 知人に勧められて(本)
感想投稿日 : 2015年4月18日
読了日 : 2015年4月19日
本棚登録日 : 2015年4月18日

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