アイアムアヒーロー 7 (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館 (2011年9月30日発売)
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感想 : 68
4

食料に逼迫し、ショッピングモールの中を探索しなければならないという
ゾンビ物だけでなくサバイバル系の物語ではお約束の展開でドキドキする。
ゴーグル越しの視点描写も面白い。
展開が遅いという感想もあるようだが、自分は丁寧に描写されているだけで
遅いとは感じていない。

なんだかんだで英雄が良い人で、普通に恰好よく見えてくる。
所謂ヒーローのようには動けなくても、銃口を向けられて
比呂美たちの盾になる位置に入って相手を説得しようなんて、
そうそうできることじゃない。

藪は仕方なく伊浦たちに従って、酷い目にも遭わされてきたけれど
人として間違わずに生きようとしていて、芯も通っていて恰好良い。
恐らく看護師さんなのだろう。

生前は高跳びの選手だったであろうZQNが失敗しても高跳びを繰り返し
それを見て屋上にいる人間たちは馬鹿にするだけで深刻に捉えず
というのも、じわじわと恐ろしく、遂にこのタイミングで成功してしまう。
そもそも屋上だから安心な訳はなかったのに、慣れて甘く見てしまっていたのだろう。
伊浦たちが合わない人間を下に落とすやり方も、結局敵を増やすことにもなり
そもそも排除しようとする時点でありえないが、本当にナンセンスなやり方だった。
目白がしてきたことが許されるとは思わないが、
最後に言い残したい相手として母親をあげようとしたり
ZQNが屋上に入ってきた時自ら音を立てて囮になり、藪たちを逃がそうとしたりしたのは
心が動かされた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2021年3月3日
読了日 : 2021年3月3日
本棚登録日 : 2021年2月19日

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