アバター [初回生産限定] [DVD]

監督 : ジェームズ・キャメロン 
出演 : サム・ワーシントン  ゾーイ・サルダナ  シガーニー・ウィーバー  スティーヴン・ラング  ミシェル・ロドリゲス 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
3.72
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本棚登録 : 2605
感想 : 552
2

映像は素晴らしい。
美しいし、3Dで見ればさぞかし凄かろうと思う。
だが、話が進めば進むほど話の浅さが鼻につく。

はじめは敵という立場であり
相手と知り合う機会があり、嫌われつつも理解しようとし
その内に認められ、何が正しいのか悩みつつも恋をし
ついには今までの立場を捨てることを決意する。
このありがちと言えばありがちなストーリーで
私が真っ先に思い出すのは『ダンス・ウィズ・ウルブズ』である。
あの物語には、魅力と説得力があった。
段々と主人公が認められていく過程、最後まで信用できないと言っていた
部族の二番手の人間が遂に信じてくれるシーンやその理由、
身を守る為に闇雲に立ち向かうのではなく
武器を手に入れることを提案してみたり
結局は勝てないのだからと身を隠してみたり
実話が元になっていることを差し引いても現実的な判断で
それが感動を誘った。

この映画はというと、何故主人公がエイワに認められたのか
馬に乗るのは下手でも空を飛ぶのは上手なのか、理由がまったくない。
これがジェイクが空軍にいたとでもいうなら兎も角海兵隊員だし
多少武道的なことに心得があるところくらいしか説得力がない。
トゥルークもなぜ絆を結ぶことができたのかよくわからないし
近代兵器を持つ敵に対して、トゥルーク・マクトの威光で呼び寄せ
単に数だけで立ち向かうというのも解せないところ。
最後はあっさり勝利するのはまぁハッピーエンドということで悪くはないが
それにしても。
細かい点を言えば可笑しいところはかなりたくさんある。
木が倒されてみな悲嘆にくれているが、何故延焼しないのかも謎だし
ツーテイがあっさりジェイクを認める側に転じるのも
どうにも虎の威を借る狐という言葉しか連想できない。
一番酷いと感じたのはヒロインで、あれだけ好きだと言っておいて
あっさり「裏切り者!」と縛ったまま戦火の中に置き去り、
父が死んだところに駆けつけた恋人に「ここからいなくなれ!」
なのにトゥルーク・マクトになって帰ってきたら「怖かった、信じてた」。
どういう女だ。

大佐のキャラは中盤ただの酷い人だったが
後半根性の入った酷い人になったので逆に魅力が出て面白かった。
個人的には『エリア88』のボッシュを思わせるしつこさ、しぶとさで
中々恰好良かったと思った。

次作があるらしいが、果たしてどんな話になることやら。
映像が素晴らしくても、ストーリーは『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の劣化版である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 洋画
感想投稿日 : 2012年2月19日
読了日 : 2012年2月19日
本棚登録日 : 2012年2月17日

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