それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実 (小プロ・ブックス)
- 小学館プロダクション (2001年5月10日発売)
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10年前に読んだ本だが、もう一度読み返してみた。著者の一人であるLinus Torvalds氏はLinuxの開発者として良く知られているが、先頃ミレニアム技術賞を受賞されたので、今一度このエッセイを読みたくなったのかもしれない。
Linus氏はAppleのSteve Jobs氏とは全く違う方法で成功した事がわかる。ただ、二人に共通する事は、やはり「良いものを作りたい」という情熱があったという事ではないだろうか。Linus氏はLinuxを開発することは「楽しい」と言う。その楽しさは、もの作りの満足感を得る事とつながっていると思うが、その作品が質の良いものを目指して進化し続ける所に面白さがあるのではないか。
本書ではLinus氏が人生の目的について語っている。人間は三つの段階で発展するが、この考えにはかなり共感が持てた。改めて考えてみると、なるほど著者の考えは人生の多くの事に当てはまるように感じる。
「知識や技術を支配する事で金儲けをしようとするなら、結局はうまくいかないだろう」と言う言葉は非常に印象的である。この事は歴史的に何度も繰り返された事実であるが、どういうわけか無駄である事に気付いていない人間が多いらしい。
何でも一つの事を極めようとして来た人の言葉はなんとなく重みがあるような気がする。楽しいからやるというのは一番素朴で素晴らしい事なのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2012年9月12日
- 読了日 : 2012年9月12日
- 本棚登録日 : 2010年5月9日
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