やっと全3部鑑賞(1・2作目は吹き替え、3作目は英語音声および英語字幕にて)。
もはや『ホビットの冒険』とは別物だが、マーティン・フリーマンは好きだし、映像美もすばらしかった。
どうしても映画は善対悪(=サウロン)という二項対立にせざるをえないのだろうけど、気高さも卑しさもあわせもったトーリンの弱さには、容易に善悪に分類できない生者の複雑さが垣間見え、原典のトールキン作品と通じるものがあっててよかった。トーリンの死に際、正気を取り戻してやるべきことをなしとげた後のその明るい目から、しだいに光が失われてゆく様は、ビルボの“The eagle...”という呼びかけとともに泣けた。
娯楽映画としてはレゴラスの戦闘シーンが最高。落ちる石橋の破片を踏みながら反撃を繰り広げるところなんて、さすがエルフ!としか言いようがなくて堪らない。
あとは愛するドワーフのキーリを亡くしたエルフの娘タウリエルにレゴラス父が投げかけた言葉から、レゴラス父も妻を失った辛さを今なお抱えているのが伝わってきて、長命のエルフが愛を知ってしまうことの恐ろしさを感じた。ここは映画のオリジナルだけれど、よかったと思う。
3作を観終わるまでに随分時間が空いてしまったので、物語の筋の理不尽さみたいなものはうっすら感じつつも、何がどうそう感じさせるのかは忘れてしまったため、純粋に娯楽映画として楽しめたのはよかったのかもしれない。
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- 感想投稿日 : 2023年8月13日
- 読了日 : 2023年8月13日
- 本棚登録日 : 2023年8月13日
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