銀嶺の人(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1979年5月29日発売)
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感想 : 32
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この小説は、山と渓谷誌7月号で「南アルプス」側のレポーターを務めた大久保由美子サンが、ふつうの?OL時代に読んで、山に向けて大いに触発されたというもの。大久保サンのつり込まれるような笑顔が何となくよかったので、つり込まれて読んでみることにした。

さて小説は、医師と、屈輪彫(鎌倉彫)の若き大家という2人のデキる女性が軸となって進む。冒頭は冬山登山で遭難しかける場面だが、2人が取り組むのはフリークライミングである。そして、“男女の愛”がフリークライミングにどう影響するか?がテーマになっているように思われる。

時代のゆえか、女性像やその“愛”の進み方に大時代的なものを感じるが、モンブランやアイガーなどの壁登り場面も交えて一気に読ませる。

結末はビミョー。新田サンの厳しい小説作法が現れている…というところであろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年6月13日
読了日 : 2003年7月4日
本棚登録日 : 2003年7月4日

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