エルキュール・ポアロシリーズ#36。
後年多くなってくる「回想の殺人シリーズ」のひとつ。
12年前の事件を、オリヴァ夫人による、当時を知る人へのインタビューを通して明らかにする。
「象は忘れない」というのはクリスティーの心を捉えていたらしい逸話で、象はいじわるされたりした記憶をいつまでも忘れない(らしい)ことにちなんでいる。すなわち、人の記憶も、ふとしたきっかけでよみがえるものだ、ということである。
実質的にポアロ物として最後に書かれた作品で、ドンデンとか事件と解決の切れ味とか謎解きということよりも、物語としてしみじみしたコクがある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2019年7月1日
- 読了日 : 2017年11月11日
- 本棚登録日 : 2017年11月11日
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