「超訳」ってなに、という話は、あとがきにある。
出版社の編集者が録音機を構える中、著者が横になって、参考文献もなにも持たずに、脳裏に思い出される古事記の物語を諄々と語る。
その間、2日。
2日間で本一冊か-、お手軽でいいなーと思ったのは措いといて^^;(もちろん古事記への愛着とそれだけの蓄積があって初めてできることだが)、要するにそれまで口伝でしかなかったものを語り部・稗田阿礼が語り、編集者・太安万侶が文章に起こしたという構図を再現してみよう、というのが意図なのである。
だからこれは、いわゆる「古事記の現代語訳」ではない。
一読、その意図はまんまと当たっていると思う。これまで何度か読んで、正直あんまりアタマに入らなかった古事記の世界が、新たな息吹とともに眼前に繰り広げられる思いがする。イザナギとイザナミの愛と憎しみ、スサノオの乱逆と改心、山幸彦・海幸彦の確執と和解、などなど。
本ではなくて、著者が本当に眼前で語ってくれたら、きっともっと面白いのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2019年6月20日
- 読了日 : 2014年5月17日
- 本棚登録日 : 2014年5月17日
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