屋上ボーイズ (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社 (2008年10月31日発売)
3.83
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本棚登録 : 134
感想 : 15
3

主人公の和也を取り巻く思春期にとっては深刻な・・?家庭事情。まぁ、ここらへんはわかるようなわからないような、ちょっと私には感情移入しにくかったかなぁ・・。
一方和也の親友・親和の方にも誰にもいえなかった秘密、悩み、家庭の事情というのがあって、それを和也は知ってしまいほっとけなくなる。
敵キャラ?で、一番厄介な人物として高崎啓吾というやつが出てくるけど、こいつも家庭事情は複雑そうで、悪になりきれないっていうか、なんかぐれてる。

読みやすかったし、面白かったんだけど、いろんな複線をまきっぱなしでほっとかれた感じで、もやもや感を残されたまま終わられてしまった感じがある。
実際は父親の浮気をしていたのか?お祖父ちゃんの入院話は?泣くほど兄の離婚を止めようとする叔母の心境は?啓吾と弟は(皆問題を解決していってるのに、啓吾だけ前に進めてない感じ)?啓吾にとっての親和って・・・?自殺しちゃった女の子のことを考えるのは今までもだけど、これからも・・・それを親和は入院中で今自己完結できるのか?親和の退院後の謎の休み・・・

物語的にはちょっとよくわからなかったところはあるけど、いじめに対する作者の考えはよくわかったし、親和の言葉は一番心に残ったところでもある。

なんだかんだで、一番面白かったのはあとがきの作者の高校時代のおはなしだったりする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2009年5月24日
読了日 : 2009年5月24日
本棚登録日 : 2009年5月24日

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