坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー

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  • 光文社 (2013年1月18日発売)
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感想 : 200
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執筆陣が魅力的だったので購入。
最初は坂木司さんの作品から。
「和菓子のアン」の続編というか後日談であるとあとがきでご本人が書いているが、確かにそういう感じ。これからまた新しい展開があるのかと期待してしまう。覆面作家ということだが、最近ますます女性的な雰囲気が漂っているなあと思う。
日明恩さんの作品は初めて読んだのだが、硬質な雰囲気がけっこう面白かった。
牧野修さんの水まんじゅうには度肝を抜かれた。こんなふうに和菓子が出てくるなんて。
近藤史恵さんと柴田よしきさんはしっとりした感じ。モロッコと日本という違いはあるが、どちらも女性の心理がねっとりと描かれている。最近柴田よしきさんは、食べ物系に重心を移しているのだろうか。作中やたら食材や料理法に言及しているのが、私には余分だった。
木地雅映子さんは「氷の海のガレオン」以来だが、やはり心がヒリヒリするような作品だなあと思う。
小川一水さんと恒川光太郎さんはとても不思議な気持ちになる作品。
北村薫さんは相変わらずの北村節だなあと思った。
畠中恵さんの作品は、時代設定がちょっとよくわからなかった。タブレットを使っているのだから現代なのだろうが、出てくる男性陣がまるで明治か大正時代の学生のようで、人間関係のあり方がやけに古臭く感じた。
御岳さんは発達障害なのかなあ。あの反応や対応の仕方はまるっきりそうとしか思えなかった。

和菓子にはほとんど興味がないのに、これだけ楽しめるからアンソロジーは面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新刊
感想投稿日 : 2013年1月22日
読了日 : 2013年1月22日
本棚登録日 : 2013年1月22日

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