八日目の蝉 (中公文庫 か 61-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年1月22日発売)
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本棚登録 : 21713
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ずっと昔に友達に勧められて積読してあった「八日目の蝉」。やっと読了できた。
自分を正当化して罪を大きくしていく一方で、優しくしてくれる人間への罪悪感とこの先の不安を抱えて生きていく希和子にすごく感動させられた。我が子のように薫を可愛がり、何よりも愛し、罪を背負ってでも育て、歳を重ねた後でも幸せになってくれと願う事ができるのって、ある意味本当の母親でも難しいことかもしれないなと思った。
みんな等しく女で、みんな等しく親で、みんな等しく人間である。「自分だけが」「なんで私が」と思ってることの大半は「自分だけじゃない」ことが多いし、みんな何かに対して「なんで私が」って思っているんだと改めて気付かされた。
空っぽになっても、生きていく目的を失っても人は何かに縋りながら頼りながら生きていくしかないんだなと実感した。

「八日目の蝉」とうタイトルの意味を理解できたし、みんなが体験できないことを体験するのもまた人生だなと思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2024年2月17日
読了日 : 2024年2月17日
本棚登録日 : 2024年2月17日

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