片桐はいりが、グアテマラに滞在する弟やその家族、知人、あるいは自分の両親との触れ合いや、グアテマラという国の魅力をユーモア溢れる筆致で描いたエッセイである。
書店でふと目につき、冒頭の数文を読んで惹かれ、買ってみた。
片桐はいりの文章を読むのは初めてだったのだが、これほど上手いとは驚いた。
とても読みやすいし、表現や構成にも一捻り、二捻りきいている。
グアテマラという国や、そこで出会った人々に対して筆者が抱いた感情や愛情の数々が、しっかりと伝わってくる。
読んでいると、自分もグアテマラの路地を歩いているかのように、人々の陽気な笑い声が聞こえ、様々な香りが漂い、さんさんと日差しが降り注いでくるような気分になる。
「グアテマラ」という国については、本書を読んでみるまで、その名前すらほとんど聞いたことがなく、どこに位置するのかも知らなかった。
中米の一国、というと、キューバやメキシコ、ジャマイカなどと同様に、明るく爽やかで、賑やかでありながらもどこかゆったりとした時間が流れるイメージが湧くが、本書を読んでいると、そのような雰囲気が漂っていることを存分に感じられる。
グアテマラの様々な魅力に触れ、心をほっこりと温めてくれる作品である。
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- 感想投稿日 : 2009年2月20日
- 本棚登録日 : 2009年2月20日
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