*富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。 町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説*
苦しくて、寂しくて、寄る辺なくて。わかっているのに、泣きながら執着してしまう、恋。そんな自分を突き放して見ているもうひとりの自分。登場人物毎の目線で語られるストーリーそれぞれに哀愁が漂います。この方は、揺れ動く情景を文字に起こすのが本当に巧い。秋の夜長に、じっくりしっとり物思いに耽りながら再読したい本。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
奥様、waltzをもう一度
- 感想投稿日 : 2020年8月26日
- 読了日 : 2020年8月26日
- 本棚登録日 : 2020年8月26日
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