多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2015年4月22日発売)
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多数決、投票に勝ったものがすべてを決められる世の中であるような印象を受けることがある。

選挙に勝利したから、賛同を得られた。
選択されたのは我々だ。だから、政策に付託を受けたものだ。

このような論法に、私は疑問を持っている。
だからこそ、本書を手に取った。

まだ、私の理解が及んでいないが内容は詳しい。
多様な多数決のルールを紐解きながら、民意が反映されやすい方法を探す。

第4章で現れる、
「二項独立性と満場一致性を満たす集約ルールは、独裁制のみである。」
という定理には肝を冷やしたが、冷静になってみると現代はこれに近い気がする。

問題は、いわゆる市民の感覚と、執行者である行政機関との間に意識の乖離があることではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会科学
感想投稿日 : 2017年1月10日
読了日 : 2017年2月4日
本棚登録日 : 2017年1月8日

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