フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

制作 : 小林弘人解説 
  • 日経BP (2011年1月13日発売)
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本棚登録 : 3637
感想 : 472
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映画も面白かったけれど、その数倍よかった。ビジョンと信念を持ち、度重なる買収の話を断り続けて成長してきた姿はかっこいい。またそれ以上に後半に書かれているFacebookのビジネスや生活における意義、今後の展望、透明で開かれた個人個人がつながる世界を実現するというマーク・ザッカーバーグのビジョンなどは非常に興味深い。情報は隠すことができず、どんどんと透明性の高い社会になって行くことで、今まで色々な顔を持っていた個人のアイデンティティーは1つになっていく。この逆らいようのなトレンドに、個人のプライバシーの考え方と、今まで複数の顔があることで成り立っていた生活、社会も変わらざるをえないように思う。その恩恵として便利になることも多いだろうけれど、果たしてザッカーバーグの言うように透明になることで統治が生まれ、より公正な社会になるのかどうか。人も企業も倫理観と正しい行動が今まで以上に求められるようにはなるだろうけど、一度の失敗、間違った行動でその後の復活のチャンスが不健全な一般人に社会的に潰されてしまうような事例が既に随分出ている。透明性の高い社会が、ただ単に常に監視される社会にならないように、個人個人の情報リテラシー向上ための教育と、個人認証システムとして国家間の協議やルール作りが必要と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス書
感想投稿日 : 2011年7月24日
読了日 : 2011年7月24日
本棚登録日 : 2011年7月24日

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