暇と退屈の倫理学

著者 :
  • 朝日出版社 (2011年10月18日発売)
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本棚登録 : 3055
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時間が経ってしまったので記憶が完全ではないが一応、忘備録用に。「何かをやりたい」「志望理由」「何々をするために生を受けた」という思想は、すべて「暇つぶし」に過ぎない。錯覚である、と本書は看破する。つまり、本来、ありもしなかった「目的」をでっちあげることで、人は虚無的な、「暇を持て余した」人間になることを、「無意識」のうちに避けているのだ。ウサギ狩りをする人間はウサギが欲しいのではなく、狩りをすることで、「退屈」から逃げているのだ。

また、「暇」と「退屈」の違いとして、「暇」は客観的、「退屈」は主観的。その起源としては、人が生きるためにしなければならないことに費やす時間が、文明の進化とともに短縮され、「余暇」つまり「暇」ができてきた。かつて、その「暇」という概念は、一部の特権階級だけのもだったが、大衆化し、一般にも広がっていった。一方、「退屈」という概念は、移住型だった人間が、定住型になり、景色や環境が変わらないために生まれた。

どうでもいいけど、この本の編集者と宮沢りえ「サンタフェ」が同一の編集者ってのが一番の衝撃。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年1月24日
読了日 : 2013年12月7日
本棚登録日 : 2013年12月7日

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