熱帯夜と表題作が特に好き。泣く時って、いつも不意に訪れる。きっかけはTVのCMだったりささいなことで、泣きながら自分が「号泣する準備は出来ていた」ことを知る。私は泣きたかったしそうするべきだったのだ、と涙を拭いながら気付く。
準備なんかいらず、すぐに泣き出せるような性質なら良かったのに。街中で転んですぐ泣き出す子供を見るたび、羨ましく思う。
この本に出てくる女性たちは行き止まりで途方に暮れているように見える。前には進めない、でももう後ろにも戻れない。
恋にとんでもないところまで連れていかれた女たち。
「泳ぐのに安全でも適切でもありません」とよくごっちゃになるのだけれど、どちらかというとあちらの方が好き。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
短編集
- 感想投稿日 : 2020年7月15日
- 読了日 : 2020年7月15日
- 本棚登録日 : 2020年7月15日
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