プログラミングを行う上で、おそらく熟達したプログラマーであれば自明であるような作法が丁寧に解説されている。
そして自明でありながら、最初からここに書かれていることを遵守したコードを書いていた、という人は少ないのではないか。
それぞれの現場で蓄積されたノウハウや事情が醸成するその現場のその時点では正しいもの。
ここでたびたび紹介される「怖いコード」は、そういったかつて正しかった・正しいと信じられていたものが風化した残骸なのだろう。
VBの例が頻出することからもわかるように、時代を感じさせる記述は多々ある。コードの読みやすさでいえばリーダブルコードだったり(これもいくぶん昔の本だが)、設計ならDDDやクリーンアーキテクチャだったり現代に即したものがいくつかある。
しかしコンピュータサイエンスの研究に根ざした網羅的な書籍として、依然本書はエンジニアの書庫に鎮座しておくべき存在だ。
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- 感想投稿日 : 2020年6月30日
- 読了日 : 2020年6月30日
- 本棚登録日 : 2020年6月30日
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