博論を基にした著作というのは基本的に大作になる。
様々な分野においてポピュラーな本を書いている東浩紀においてもそれは同様で、他の彼の著作のような読みやすさを期待して読もうとすると肩透かしを食らう、というか眉間にシワを寄せることになるかもしれない。
というのも、本著はあくまでデリダの解説本である。
そのデリダの著作よりは遥かに読みやすいとはいえ、やはりそれを解説する以上、それはある程度難解なものにならざるをえないのだろう。
ちなみに自分の場合、デリダの著作はちゃんと精読したことすらないので、そういう意味でもなかなか読んでいくのが大変な本であった。それでも、東の導きにより、少なくともデリダが何を行おうとしていたのかはかなり明らかにされた感覚がある。また、デリダとともに、その批判の対象となったハイデガーについても断片的に知ることが出来るようになるというのも本書を読む一つの意義だろう。
デリダにしてもハイデガーにしても、哲学書の中でもさらにわかりづりい分野を取り組むことは大変なことだ。特になぜそれが有意義なのか、どのように哲学の世界で位置づけられているのかを知ることは、単純に数行にまとめた基本書籍だけを読むだけでは困難である。
そうしたとき、本書のようなものがまさにそこを補う役割を果たすのだろう。
とりあえず、また折にふれて読み返してみたいなと思いました☆(要約)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
何度か読み返したい本
- 感想投稿日 : 2012年10月2日
- 読了日 : 2012年10月2日
- 本棚登録日 : 2012年9月13日
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