もの食う人びと (角川文庫 へ 3-1)

著者 :
  • KADOKAWA (1997年6月20日発売)
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感想 : 494
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p.16
「それは、食べ残し、残飯なんだよ」
…口に酸っぱい液がどくどく湧いてきて、私はしきりに唾を吐いた。

国語の教科書でおなじみの、ダッカの残飯市場の話から。
動機が身勝手だとか誇張しすぎているとか、批判はあると思うけど、何重にもヴェールをかけたこの華麗な文章でさえ、現代日本でのほほんと暮らしている私には衝撃だった。こんな世界があるのか。こんな人々がいるのか。よくそんなところで「食レポ」をしてきた。生きている限り、人間である限り、食べなければならないのか。伝統や歴史という言葉では語れない、その地方ならではの生々しい食事。
この衝撃の感情が、怖いもの見たさの好奇心で終わらないといい。これで「わかった気」になっちゃうのも怖いけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 書籍
感想投稿日 : 2017年2月15日
読了日 : 2017年2月15日
本棚登録日 : 2017年2月15日

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