p.16
「それは、食べ残し、残飯なんだよ」
…口に酸っぱい液がどくどく湧いてきて、私はしきりに唾を吐いた。
国語の教科書でおなじみの、ダッカの残飯市場の話から。
動機が身勝手だとか誇張しすぎているとか、批判はあると思うけど、何重にもヴェールをかけたこの華麗な文章でさえ、現代日本でのほほんと暮らしている私には衝撃だった。こんな世界があるのか。こんな人々がいるのか。よくそんなところで「食レポ」をしてきた。生きている限り、人間である限り、食べなければならないのか。伝統や歴史という言葉では語れない、その地方ならではの生々しい食事。
この衝撃の感情が、怖いもの見たさの好奇心で終わらないといい。これで「わかった気」になっちゃうのも怖いけど。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年2月15日
- 読了日 : 2017年2月15日
- 本棚登録日 : 2017年2月15日
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