10代の5人の美人姉妹の儚く切ない死にまつわる物語。
10代のもつ危うさは、水を入れられてパンパンに膨らんだ風船に似ている。
ちょっとした刺激で、一気に破裂し、中の水が溢れてしまう。
しかも、割れてなお、床をびちゃびちゃにするハタ迷惑さ。
彼女たちのもつ独特の脆さは、「死」が彼岸にないことに起因する。
きっと彼女たちにとっては、彼方の地平線上にあるが、それでも同じ陸続き。
途中には海や山のような大きな障害物は存在せず、
遠いには遠いが、たぶん、行こうと思ったら行ける。
年を重ねることは、風船の中の水の量はそのままに、
ゴム部分だけが徐々に伸びきっていく様に似ている。
いつしか風船の容積は増え、相対的に水が占める割合が減っていく。
それに無自覚でいることへの畏れは静かにヴァージンを蝕む。
ソフィア・コッポラの第1回監督作品。
他の作品に比べ、多弁で脚本に起伏や事件性のあるところは
第1回監督作品ならではの、らしさ。
90分の作品中、85分までは、まあまあ、最初の作品だしな、
と思いながら観ていたが、ラスト5分でソフィアらしさ大爆発。
ガスマスクとプールに背面から飛び込む少年に、天恵のセンスを感じる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドラマ
- 感想投稿日 : 2013年1月26日
- 読了日 : 2013年1月26日
- 本棚登録日 : 2013年1月26日
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