鬼の跫音 (角川文庫 み 39-1)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年11月25日発売)
3.48
  • (122)
  • (406)
  • (473)
  • (97)
  • (12)
本棚登録 : 3514
感想 : 378
4

見事な狂人達。暴走系と違う、静かなる美しい狂気達を楽しんだ。

どの作品も好きだが、個人的には「冬の鬼」がお気に入りだ。恐らく誰もがやるであろう読み終えてからの逆読み...勿論私もやりました。
どの作品にも当て嵌るのだが、短い中でのストーリーを時系列や綴り方でここまで物語に没頭させる手法が凄い、秀逸だ。

燃え上がる炎、澄んだ空に上がる白煙とだんだん形を変え消えていく達磨。そして白い息を吐きながらマフラーでも巻いて幸せな二人が手を繋いでいる。
彼らは狂ってなんかいない。
狂ってなんかいないのだ。

「鬼」って悪なのだろうか。私は身近に感じる。
ステータス防御力に全振りし、磨くスキルは「偵察能力」。そちらより、自ら鬼を纏い行った行動を一人として後悔していないそんな彼らの方が美しく感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本作家
感想投稿日 : 2020年12月15日
読了日 : 2020年12月13日
本棚登録日 : 2020年12月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする