犬養さんの噂は予てから聞いており、古手川さんを認知していたのでそんなメン・イン・ブラックみたいなバディに興奮しながら犬養シリーズ第一弾をやっと読み始めた。
平成の切り裂きジャック
×
臓器移植
なんとまた難しいテーマだろう。やはり家族に当て嵌めて考えしまうのだが、ドナー側、レシピエント側とで考えが180度変わってしまう矛盾に額のシワが刻まれて行く。刑事犬飼隼人が苦悩を背負いながら追う姿に、「家族の愛」を感じた。
と、私が勝手に愛だのなんだのとメルヘン患っていただけなのだが、ジャックの動機が腑に落ちない。
しかしジャックの告白、隠蔽工作の暴露にてこの問題定義について様々な意見があるのを知る事が出来た。考えたこともなかった臓器移植の現場や当事者達の信念や遺族の葛藤、そしてそれが自分に当てはまらないと言いきれない現実にハッとさせられる。
この作品に出会うか自分が当事者にならない限り考える事は無かったと思うと本作に出会えた事が嬉しい。もちろん続編も追っていきたいと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本作家
- 感想投稿日 : 2020年11月13日
- 読了日 : 2020年11月13日
- 本棚登録日 : 2020年11月13日
みんなの感想をみる