天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社 (2014年9月27日発売)
3.82
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本棚登録 : 5565
感想 : 404
3

まず、ここのレビューを堪能して
表紙が可愛すぎて躊躇していたのが私だけじゃなかったという謎の仲間意識に承認欲求が満たされたご報告から入ります。余興です。
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やけに作者側から指定の入る、妄想を許さない固定ルックスを持つ天才医師、天久鷹央。
その助手の小鳥遊優、通称コトリ( ・θ・)
この二人が数々の難事件を「診断」していくわけなのだが、結論から言うととても面白かった。
連作短編ではあるものの、1話1話の濃密さと精密さが秀逸。内容は程々に重たく読み応えがあり、全て最後には物の見事に「診断」の形で落ち着くのがカッコ良い。医学的な説明は勿論あるのだが、これが難しく書かれていない上に無理矢理理解させられた気にもならないのが凄い。自らが患者として医者の診断を聞いているような感覚だ。

お気に入りは最初の「泡」。妖怪(カッパ)×医療ミステリーとでも言えば唆る人がいそうなので仔細語らず設置逃げしようと思う。ノ=3=3=3
その後もフェードアウトすること無く、次々と興味深い珍事に首を捻りこんでいく鷹央先生に早くもホの字だ。これまで躊躇していた自分が憎い。早く読めばよかった。

通常の診察では手に負えなかった者達を手掛ける鷹央率いる統括診断部だが、「オーダーメイドの毒薬」にてここの縮小が議題となる。そこでの鷹央と祖父の大鷲の会話がお遊戯会の台本みたいな掛け合いなのが少々気になったが、さておいて先が気になる、唆る、逆転劇を期待してしまうのだからこれは楽しい読書だ(*´﹃`*)

あっという間に読み終えてしまったが、まだまだこの二人の活躍を堪能したい。良い意味で不完全燃焼だ。今まで本棚の何処にあるか気にしたこともなかったこのシリーズ達が一軍に昇格したのは言うまでもない。
ただやはりエンタメ要素が強い作品なのと、連作とはいえ短編なので、記憶に強く残るかと言われると難しい。後に長編も書かれているみたいなので焦らずゆっくり茶でも啜りながらこのシリーズを追っていきたいと思います。
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「可愛い表紙に躊躇している過去の私の同志たちに一度は手に取っていただきたいギャップ本ランキング(長)」ナンバーワン!(暫定)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本作家
感想投稿日 : 2022年2月9日
読了日 : 2022年2月9日
本棚登録日 : 2022年2月9日

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コメント 1件

ヒボさんのコメント
2023/09/04

NORAxxさん、おはようございます♪
まだまだ暑い日が続いていますが、お元気ですか?
節目の1,000冊目レビューに本書を選んでみました。

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