上巻もハラハラしたが下巻は一層サスペンスな展開で栞を挟むタイミングが掴めない。私を寝不足+首痛に至らしめた罪は......
無い!!だって面白かったから!!無罪放免!!!
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暴れん坊デルレイによって捜査から離脱したライムは過去の情熱を無くし、言わば「生」の目的を再び見失ってしまった。そして彼は再度安楽死団体の医者ウィリアム・バーガーにコンタクトを取る。無論保留にした自殺を遂行するためだ。それに待ったをかけるのが悲劇のヒロイン、アメリア・サックスだ。
彼女の勇気ある行動によりライムは、ボーンコレクター、「ニューヨーク犯罪史上最悪の殺人鬼との知恵比べ」に決着を付ける機会を得た。
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ぐぬぬ、もう仔細は語れない。痕跡に導かれ奔走するライム一同が突き止めたボーンコレクターの正体。被害者達の安否。ライムの自殺願望の結末。どれも私の口からは言えない。
人によってはライムとサックスのラブなストーリーも見所だろう。私は....( ˙σω˙ )ホジホジ
さて、内容は程々にして読み終えた率直な感想は「面白かった!!」なのだが、余韻に浸って物語を整理してみると作者の取材力の高さに驚かされた。当たり前なのだが作中、無駄な話は一切していない。全てが今で言う伏線だったのだ。全てが繋がる快感をこの20年前の作品で顔面モロに味わう事になるだなんて想像もしていなかった。完成度の高さが凄い。
そして科学捜査を始め、警察の組織図や車椅子、四肢麻痺患者の生活を支援する機器等当たり前のように語られてはいるがなんという知識量だろう。作者ジェフリー・ディーヴァーが四肢麻痺患者ですと言われても疑いようがないくらいリアルで説得力があり、私の想像の中のライムには魂が宿っていた。
更にこの作品は作者のあとがきでさえ痺れさせて来るから困った。物語のキモとなる「古きニューヨーク犯罪」という架空の書物に対してなのだが、背筋がゾクッとするような茶目っ気を残して行くのだ。堪らないではないか。
もぅこんなん...追うよ...
唯一、「ここはライムとサックスの世界です」みたいな他キャラを雑仕様するバランスの悪さが気にはなった。因みに私の推しは毎朝、剃刀片手に自分の頬を襲撃し、剃刀負けした顔面で出勤する青年バンクス刑事だ。可愛い。
シリーズはそんな胸熱なメンバーが再集結するらしい。きっと魅力を存分に引き出してくれるのだろう。もうそんなん......喜んで追うよ!!!
とても楽しい読書でした。
- 感想投稿日 : 2022年2月21日
- 読了日 : 2022年2月21日
- 本棚登録日 : 2022年2月21日
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