いやぁ、非常に面白かった...
ドラマ未視聴、事前情報無しのクリーンな頭でこの作品を楽しめた事の嬉しみが深い。ここであらすじなる物語の流れを話してしまうのはまだ未着手の方の楽しみを減少させてしまいそうで勿体無いので割愛。
堅苦しい刑事物のイメージは最初から無かったが、「刑事物小説」の固定概念として何となく背筋を伸ばしていた。が、そんな感じだとまずキャラクター達の癖のある存在感にギャップという名の右フックいただきます。ごっつぁんです。
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リズムがとても良い。冒頭にガツンと喰らう事件の凄惨さ、そこからぐんぐん推理を進める姫川玲子を軸に撒き散らす伏線の設置。
そしてキャラの個性を光らせる為にスピードを緩める物語の停滞期。終盤に、「えぇと...誰だっけ..???」とならないのはここの丁寧な人物描写の賜物だろう。そしてここらでMY推しキャラが出てくる事でしょう。因みに私の推しキャラは言わずもがな井岡のあんちゃんです。
そして事件が大きく動きだしてからのアクセル全開な展開。ブレーキのかけ方を忘れ一気に読み進めた。
クスッとするエンタメ性の高さ反面、事件内容や死体状態、犯人の半生記録内での残酷でグロテスクな表現。このコミカルとシリアスの絶妙なバランス融合は、なるほど「飽」を感じさせない。グロ耐性低めの方は回復薬数個持参をオススメ致します。
ミステリとして、ベタな法則(それすらネタバレになるので伏せ)に則り犯人の目星はつきやすいかと思うが、事件解決に向けての終盤の切羽詰まるシーンは心拍がぐぐいと上がる。この作品を読んだ直後は塩分控えましょう。血管破れます。
さて、またこんな素敵なシリーズ物に出逢ってしまいました。果たして私の人生...足りるのでしょうか。
- 感想投稿日 : 2021年7月1日
- 読了日 : 2021年7月1日
- 本棚登録日 : 2021年7月1日
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