ファンシーな感じの表紙に、どんなアンニュイなペンギンが出てくるのかと思いきや、とんでもなくダークな小説だった。
売れない作家と憂鬱症のペンギン、作家の友人の娘。
ペンギンと娘のシーンがなければ、本当にダークな小説で終わっていたと思う。
当時の情勢は、私にはよく分からないが、不穏な空気が醸し出されていて、どんよりとした気分でページを捲っていた。
ペンギンの元気がないから(自分の周りもおかしいことばかりだし、暗殺的な意味で)、どうにかして南極に返してやろうと、作家は色々手を尽くすけど、最後の最後で…結局作家はどうなったんだろう、ペンギンと娘は??
どんよりとした気分で、と書いたが、それでも作家はどうなるんだろうと、ハラハラした気持ちで読み進めていた。
ダークグレーのような、鈍色のような雰囲気の小説だった。
こんなこと書いたら、村上春樹の愛読者には怒られるだろうが、どことなく村上作品に通ずるような読後感だった。
でも私も村上春樹作品は好きである。
続編はあるが、原典と英訳しかないので、英語がよく分からない私は読めない。くやしい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年12月30日
- 読了日 : 2018年12月12日
- 本棚登録日 : 2018年12月12日
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