連作短編集。「ともしびマーケット」というスーパーと、それに関連した人たちのお話。
全9章で各章いろんな人物が主役として登場。14歳の中学生から70のじいさんまでバリエーションに富んでいますが、それが各章の好感度の差につながってしまった気がします。
14歳女子中学生の、中二病ど真ん中の妄想を拡大させながら、悶え苦しみつつ(?)告白するエピソードはとても面白かったですが、うらぶれた中年男女のエピソードはあまり引き込まれず…
あと、連作の軸となる「ともしびマーケット」があんまり機能していないような… スーパー外でのエピソードが多すぎて存在感が希薄なのに加え、各章の人物たちがさほど密接に絡んでいる訳でもないので、連作感とその軸となるべき要素が薄いと思いました。
それでも、序盤2作でのご飯や酒に関する描写や、最終章で皆が勢揃いしてだめんずを責めつつ、それぞれ好き勝手に振る舞う場面は面白かったです。なんだかんだ言って、節々ににんまりする描写があるのは良いですね。連作にせず、純粋な短編にしてしまった方が良かったのではないかと思ってみたり。
かなり前に同作者の連作短編「田村はまだか」を読んだのですが、同じ連作短編だったら「田村〜」の方が圧倒的に面白かったです。本作は悪い訳じゃないんですが、どうしても「田村〜」に劣る感が強くて、辛辣な感想になってしまいました…
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年7月11日
- 読了日 : 2012年7月11日
- 本棚登録日 : 2012年7月11日
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