ミセス不機嫌こと四元さんはエキセントリックで、本作においては個性的なキャラではあるものの、不思議とインパクトが強く感じられず。
結局、四元さんが関わるのは事件の導入〜序盤が主で、その中核にいないから? あるいは、各事件の“個性”が「猫が関わっている」という点の、それ以上でも以下でもない存在感の微妙さが故?
いずれにしても「黄金の王〜」「瞳の中の〜」を著した作者の作品としては、ちょっと物足りない感があります。
ただ、あとがきにあった「悪漢小説(ピカレスク)」としてのキャラクターとして四元さんを思いついたというのは興味深いところ。悪漢というにはちょっと斜め上な四元さんを描いた点が、次回作以降における良い意味での予想のつかなさを予感させてくれる気がします。
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- 感想投稿日 : 2017年11月3日
- 読了日 : 2017年10月29日
- 本棚登録日 : 2017年10月30日
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